インターネットへの恩返しができていない

公開: 2023-10-27 改訂: 2023-10-27

僕は、大学の情報学部を出たわけでもなく、素人としてエンジニアのキャリアを始めることになりました。

もちろん最初は何にもわからないので、Progate の整備された学習コースをひたすらやりこんだり、Qiita の記事を読んではなんとなくわかった気になったりしていたように思います。未熟ながら学生アルバイトとして雇っていただいた企業様もあったので、そのおかげもあって経験も積むことができました(ありがたい)。

そんなこんなで今もエンジニアとして(一応)仕事ができているわけでございます。もう少しで丸5年、早いものです。

振り返ると、インターネットには大変助けられたと思います。

調べればすぐに公式ドキュメントを読むことができるし、ライブラリのソースコードも読める。

フレームワークをどういう具合で使っているのか実例もすぐ見つかるし、頭のいい人たちが考えた設計哲学も学ぶことができる。

こういったことが、人間に直接聞かなくてもできてしまう。本当に良い時代にプログラミングを始められたなと感じています。

至極当然ですが、こういった情報は自然発生するものではなく、ドキュメントを書いた誰かがいて、コードを書いた誰かがいて、議論をしてきた誰かがいます。

僕は、そういった優秀・ギークな人たちのアウトプットに生かされているのだなぁとつくづく感じますし、現在進行形でガッツリ脛齧りを続けています。

ふと振り返ると、果たして僕は『恩返し』ができているのだろうかと考えるようになりました。

少なくとも、OSSへのコントリビュートはしたことがないです。ひとつも。

技術記事でのアウトプットは多少したことがありますが、これもかなり少ないです。他人の記事への意見もしたことがないです。

社内での情報共有は多少やりましたが、これは『インターネット』への恩返しには該当するとは考えにくい気がします。

つまり僕は、圧倒的に『インプット過多』なのだろうと思います。

僕が今まで訓練してきた学び方の影響もあるかも知れません。

僕は大学で物理学を専攻していましたが、例えば量子力学1つとっても、それについての教科書を3〜4冊揃えてそれらを読み比べたり演習問題を解いたりして、一人で散歩しながらじっくりじっくり考えるような学び方を多くしていました。

その思考の中で、一応自分の中でアウトプットのようなものはしてるんですよね。自分の中で知識や論理を練り上げて形にして理解するということをたくさんしてきました。

それについてゼミで議論するということもあったように思います。

ただ、それをインターネットで不特定多数の人たちに向けて発信はしていなかったです。そして当時は、先人たちの知識の恩恵に預かっているという考えにも至らないし、なので当然、恩返しをしたいとも考えませんでした。

しかし今は状況が違います。

僕は仮にも IT 業界で仕事をしていて、仮にも開発者・IT エンジニアとして仕事をしています。仕事ができています。生かされています。

もっとインターネットに僕から関わって、誰かが IT の世界で仕事ができる助けをほんの少しでもしていきたい、していかないといけないなと感じるようになりました。(年をとりましたね。。)

OSSのコントリビューション1つとっても、実は簡単なところから貢献をすることができると思います。

ドキュメントの翻訳でも良いかも知れません、イシューをあげるだけでも良いでしょう。ドキュメントのタイポがあれば、その修正でも良いかも知れませんね。

記事を書くのが大変なら、Qiita/zenn などで『いいね』を押すだけでも良いのではないでしょうか。それでその記事を書かれた人のモチベーションが上がって、また助けになる人が増えるのであれば、『いいね』を押すことも0.00000000001%くらい助けになっていると思っても良いのではないでしょうか。やらないよりはずっと良いと思います。

ということで、僕はアウトプットというよりは、『恩返し』を少しづつしていきたいなと思います。

僕はエンジニアとしては優秀でもなんでもなく、本当に"平凡"だと思いますし、やれることは多くないとは思いますが、できることから少しづつやっていきたいと思います。

僕のような誰かがまた、インターネットに恩返しをしたいと思う一助に。